2008.9.30号
コア排水システムは各階に同じ継手を設置することで、その性能が保証されています。しかし改修現場などにおいては、納まり上の制約もあり、その原則が遵守できないケースもあります。上階からの排水が流下することのない最上階のみをコンパクト型:KSTにした場合の排水性能を検証し、安全性を確認する試験を行いましたのでその一部を報告します。
実験配管
※対象物件が台所流し単独系統であるため、1フロア当たりの負荷流量を1.0[L/s]の場合と1.5[L/s] の場合について実験した。
供試継手 CP60K 100×80 , KST-S 100×80 排水立て管径 100A 排水横主管径 125A 横主管形態 水平2曲がり2500×2500×2000 排水負荷 定流量 1〜5.5[L/s] こう配 1/100 試験方法 SHASE-S 218 「集合住宅の排水立て管システム
の排水能力試験法」に準拠※
9F 配管状況
実験結果(代表的な例を抜粋)
単位:[l / s] 単位:[Pa] 実験NO. 9F 8F 7F 6F 合計 Psmin Psmax 1−1 1.0 1.0 -79.16 43.64 1−2 1.0 1.0 2.0 -92.32 78.12 1−3 1.0 1.0 1.0 3.0 -95.48 84.28 1−4 0.5 1.0 1.0 1.0 3.5 -99.52 98.00 1−5 1.0 1.0 1.0 1.0 4.0 -109.12 104.72 2−1 1.5 1.5 -103.72 62.08 2−2 1.5 1.5 3.0 -105.44 117.88 2−3 1.5 1.5 1.5 4.5 -145.64 169.00 2−4 0.5 1.5 1.5 1.5 5.0 -147.72 229.28 2−5 1.0 1.5 1.5 1.5 5.5 -151.60 275.12
考察
定常流量法により算定した対象物件の負荷流量:2.7 [l / s]の約2倍の流量:5.5 [l / s]を負荷した場合でも、システム最小値が-151.60[Pa]、システム最大値が+275.12[Pa]であり、判定条件である±400[Pa]以内に収まっており、安全性が確認できた。
2000.2.29号 CP/KST/JIS排水能力の比較は、こちら
2000.3.15号 KST適応階数の目安/KST器具排水実験データは、こちら